• Daisuke Matsuura

「kb.Perfomance」のルーク・メナド氏に「怪我の予防とACWR」についてインタビューしました!!

最終更新: 4日前



今回は オーストラリアのメルボルンにある、

女性アスリート育成に特化した 「kb.Perfomance」 のハイパフォーマンスマネージャー

として活躍されている ルーク・メナド氏(以後メナド氏)に

「アスリートの怪我予防のために行っていること」 についてお話を聞きました!!!


メナド氏が、どのように負荷を調整し、選手たちのコンディションを管理しているか非常に面白い内容になっているので、ぜひお読みください!




『1週間単位での【休息・回復】について考える』


私たち「kb.Perfomance」は選手に高いパフォーマンスを維持してもらうためには1週間単位での【休息・回復】について考えることが、非常に重要だということに気づきました。


【次の試合に勝つ】と強く考えると・・・・


トレーニングの量を減らし、休息と回復の時間を選手に与えることは、勇気が必要な判断でもあります。


私はその判断の材料とするため

【選手自身から、その状態について返答をもらうこと】

をとても大切にしてきました。


選手から返答をもらうには選手たちとの信頼関係がとても重要です。

その信頼関係が強くなればなるほど、彼女たちは、本当の声を聞かせてくれるようになります。


そうして築いた信頼関係の上で選手から返答をもらう際には...

・RPE(自覚的運動強度:トレーニングの負荷を各選手の主観に基づいて数値化したもの) ・ウェルネスアンケート

などを使用していました。


また、これらの、選手自身からのフィードバックに加えてGPSデータによるレポートを組み合わせることで、より効果的に負荷の管理を行えるようになりました。




『急性負荷と慢性負荷』


私は、GameTraka VSS(有料)のAthlete Readinessという機能を使っています。


この機能を使う事で、選手のパフォーマンスを高めるための日、週、月ごと運動負荷量の概要を知ることができます。


特に気にしているのは...


急性慢性運動負荷率(ACWR)です。

※ちょっぴり解説:急性慢性運動負荷率(ACWR)とは?


『Hulinら (2016)のラグビーの走行距離に関する研究で急性負荷(Acute Load)と慢性負荷(Chronic Load)の比率(急性/慢性比)が傷害発生と関連していることが明らかになりました。』


この研究では、急性負荷、慢性負荷を以下のように定義しています。

・急性負荷 その1週間で走った総走行距離

・慢性負荷 その前の週までで走った4週間分の総走行距離の1週間当たりの平均

具体的には急性/慢性比が2.1を上回ったときに傷害が多く発生しています。

ACWRの正確性についてはまだ議論の余地がありますが、実際に採用して選手たちを観察した経験則としてはACWRは役立つと感じています


Athlete Readinessを使用することで、トレーニング内に異常な負荷(ACWRが2.1以上)が発生しているかどうかをすぐに確認することができるのでこれを踏まえてプログラムを検討することが可能です。



『ゲームに近づけたトレーニング』


シーズン前にトレーニングの計画を立てる際、特にコンディショニングプログラムを考えるときにもこのAthlete Readinessを使用します。


前シーズンのデータを用いて、【ゲーム毎の走行距離の平均】【スプリントの回数】【どれだけハードな走りをしたか】などを分析していきます。


これらの結果を基に、ゲーム中の負荷に限りなく近くなるようトレーニングを計画し実施していくよう心がけています。


GPSとAthlete Readinessを使用することで、前週、前月と比較して、この1週間はどうだったかを確認できます。


これによって、シーズンインに向けた、翌週の負荷設定をデータに基づいて決定をすることができるのです。


トレーニング中に起こることを、全て予測するのは不可能なので、アスリートの状態を管理するのに完璧な方法はありません。

しかし

・RPE、 ・ウェルネスアンケート、 ・SPT VSSのAthlete Readiness機能

などのツールを使用することで、次シーズンへの準備を、より効果的なものにしアスリートのパフォーマンスが高い状態で維持しながらシーズンを、戦っていくことができると思っています。




『さいごに...』


いかがでしたでしょうか?


様々な方法で、選手の怪我の予防を試みていることがわかりますね。


特に、急性慢性運動負荷率(ACWR)はとても興味深い指標になるのでは無いでしょうか?


怪我の発生リスクを数値化して観察できるのは、とてもありがたいですね。

これからも皆様に有意義な情報をお届けできるよう努めて参ります!!




『筆者 Daisuke Matsuuraについて


関西大学大学院卒。オーストラリア、ニュージーランドでラグビーコーチング、分析等を学び、現在はニュージーランドと日本でラグビーコーチ/アナリストとして活動中。コーチとして、ラグビーワールドカップの優勝を目指している。今後は、ヨーロッパやアルゼンチンへ活動を拡げようと計画中。言葉、映像、環境を操り、人との繋がりを大切にして、選手のパフォーマンス向上とチームの勝利を目指しています。

SNSにて、最先端のラグビーコーチ、アナリストとしての活動内容を日々投稿中!!

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