今回は、2019年アメリカアラバマ州高校アメリカンフットボールのチャンピオンチームになった、トムソン高校ウォーリアーズに、
・SPTを導入しようとしたきっかけ
・導入してどんなことが変化したか
について語っていただきました。
SPTは、プロチームだけでなく、高校生たちにとっても有益なツールであることを知ることのできる、良い事例の1つだと考えています!
それでは、彼らの優勝までの軌跡をたどっていきましょう。
『きっかけはライバル校との敗戦』
2018年12月アメリカ、アラバマ州アメリカンフットボール選手権大会決勝・・・
マークフリーマン氏が率いるアメフトチーム、トムソン高校ウォーリアーズは、セントラル高校フェニックスに【敗北】しました。負傷者に悩まされていたウォーリアーズは、ベストの状態で戦うことが出来ず、優勝を逃したのです。
敗戦後、フリーマン氏を始めとした、ウォーリアーズのコーチングチームは、選手にかかった負荷をより理解し、チームのコンディションの維持、怪我の事前対策をしたいと考えました。
そして、2019年のシーズンが始まるときに、SPTをチームに導入したのです。
『最優先は安全であること』
フリーマン氏は、この出来事についてこのように語ります。
私たちがSPTを導入すると決めた最大の理由は、選手の安全を最優先事項に置いたからです。選手全員の怪我の可能性を減らし、オーバートレーニングを防ぐためにも、SPTでのコンディションの管理はとても役立っています。
若いアスリートにとって、高校でのプレー経験は、プロ選手を目指した選手人生のなかで、非常に重要なステップになっています。私たちは、選手たちの次のステップ、つまり大学でのキャリアを考えたとき、彼らが大学でプレーできるよう準備し、成功に近づけるようにしてあげたい。だからこそ私たちは、SPTのデータを利用して、選手達を成長させたいと考えています。
私たちのチームにいる多くの選手は、フットボール人生で次のステップに進むでしょう。私たちは、選手がより良い選手になるため、ベストの準備ができているか、データを通じて支えていきたいです。
『チームの不安材料』
また、フリーマン氏は、チームにとっての不安だった課題についても聞かせてくれました。
シーズンを通して、効率的で一貫性のあるトレーニングが出来ているか、非常に不安な思いがありました。重要な試合は金曜日の夜にあります。その日、その時間にチームのピークを合わせられるよう、トレーニング計画を組み立てる必要があったのです。
私たちはその大事な試合で最高の結果を確実に得るためにも、日々のレベルを向上させたいと考えました。試合や練習で選手に求めるレベルを少しずつ高めたかった。そしてそのために、【毎週の練習で、試合に必要なトレーニングができているか】、確認をしたかったのです。
だからこそ、SPTを通じたコンディションの管理が重要でした。SPTを使って怪我の可能性を減らしながら、勝つために必要な練習を行ってきました。そして、1年後。私たちは望ましい結果を得ることになりました。
『ライバル校との再戦、そして有終の美へ』
昨年12月、同じスタジアムで全く同じ相手、すなわちセントラル高校フェニックスと再戦することになりました。私たちウォーリアーズはフェニックスを40-14で圧倒し、アラバマ州の選手権大会を優勝しました。この勝利は、ウォーリアーズの歴史において、1982年の優勝から約40年ぶり、学校史上2度目の州選手権大会の優勝でした。
ウィーリアーズのワイドレシーバー、J.B.ミッチェル選手は、優勝について次のように語っています。
「オフシーズンから、お互いを信じてやってきました。私たちは今夜の対戦相手を予想し、準備に徹しようと、チームメイト共に一生懸命努力をしてきた結果だと思います。」
2019年、ウォーリアーズは感動的なシーズンの閉幕を迎え、フリーマン氏はアラバマ州の年間最優秀コーチにも選出されました。そんなフリーマン氏は最後に、次のように教えてくれました。
「正直なところ、私たちは昨シーズンまでの10年間、同じような練習を繰り返してきました。しかし、今シーズンではSPTを使用して、毎週・毎練習で効率的に成長するために、知識に基づいたトレーニング計画と調整を行うことができました。選手への負担を計測、調整をして、大切な試合へ向けて選手のパフォーマンスを向上させることが、優勝の鍵の1つになったと考えています。」
『さいごに...』
いかがでしたでしょうか?
チームにGPSを導入し、トレーニングを調整できたことが、優勝の1つの鍵となったことで、トレーニングを調整することの重要性を感じとれるのではないでしょうか?
私がこの軌跡の中で驚いたことの1つとして、取り組みを始めてからたった1年で、明らかな変化、そして大きな結果が出たということです。フリーマン氏が新しいテクノロジーを信じ、明確な指針を打ち出せたことが、チームが向上につながったのではないでしょうか。フリーマン氏の10年間の経験と、新しいテクノロジーの融合が生んだ素晴らしい結果だと思います。
そして、この融合はフリーマン氏に限らず、多くの方が得られるものだと考えていますが、いかがでしょうか?
SPTでは、このテクノロジーを通じて、みなさんの経験値を増幅させ、更なる高みを目指すための応援をしていきます。
今回もお読み頂きありがとうございました。
『筆者 Daisuke Matsuuraについて 』
関西大学大学院卒。オーストラリア、ニュージーランドでラグビーコーチング、分析等を学び、現在はニュージーランドと日本でラグビーコーチ/アナリストとして活動中。コーチとして、ラグビーワールドカップの優勝を目指している。今後は、ヨーロッパやアルゼンチンへ活動を拡げようと計画中。言葉、映像、環境を操り、人との繋がりを大切にして、選手のパフォーマンス向上とチームの勝利を目指しています。
SNSにて、最先端のラグビーコーチ、アナリストとしての活動内容を日々投稿中!!
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